学校に訪問する機会が度々ある。
タイの学校には、木の棒がある。
実際に私が学校に訪れた時に、木の棒を振りかざす様は見たことがないが、先生が生徒にと対し、言うことを聞かないと振りかざすぞ!と言う光景は見たことがある。
学校に派遣されている隊員に聞けば、実際にそれで叩いたとしても「ペチッ」というほどらしい。
日本の昭和=途上国の現在 なのか?

日本でも20年前くらいまでは、先生が罰と称して生徒を殴る光景は普通にあった。
実際に、何の理不尽かわからないが私も中学生時代に教壇の前に立たされゲンコツを食らったことがある。
今思えば、20代中盤の経験の浅い担任教師が威厳を保てる術がそれしかなかったのではないかと思う。
英語の教師だったその担任のせいで中1から英語が大の苦手になった私が、今や海外生活をしていることをその担任に知らせてやりたいくらいだ。あなたの教えに寄らずに、ここまで成長することができましたと。
その20年前の日本と現在のタイの教育環境が同じなのか?
しつけの観点で言えばその「古い?」というかそういう考え方がまだ残っているのは確かなようだ。
3歳の孫を叩くおばあちゃん

私はクリニックの発達外来で週に一度、活動をしている。
そこである日見られた光景だが、走り回って言う事の聞かない3歳児に対しそのおばあちゃんは手を挙げた。
一度は叩く素振りを示して止めたが、それでも走り回り続ける子どもを食い止めようとおばあちゃんはこどもの頭と尻を叩いた。
それでも子どもは止まらない。
明らかにその子は多動性の障害を抱えている。叩いても止まらないのだ。
その子の母親も一緒にいたのだが、母親は傍観しているだけだった。ただ、一緒になって叩こうとはしていなかった。
タイの間でも、しつけの方法に関して世代間ギャップがあるのではないかと感じた。
このおばあちゃんに対しては、障害を理解しながらの子育ての方法を説明していく必要はあるのではないかと思ったが、これは途上国に限ったことではないとも思った。
日本で障害を持ちなかなか静止が効かない子には、やはり痛みを持って伝える方法を選ぶ人はいるだろう。
例えば、アフリカのある国に行けば、幼稚園の先生が棒で園児を叩く事は日常茶飯事らしい。
ただ、国の教育方法が違うだけではなく、同じ国の中であっても世代による考え方が違うということもあるのではないかと感じる。
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