他言語習得の初心者を抜け出した(中級者なり立ての)ころに陥る落とし穴を解決!
海外生活の壁はやはり言語
「海外で暮らしたら、2~3か月で現地の言葉を話せるようになるんでしょ?」
海外生活をしたことのない人に結構言われる言葉である。
実際はそんなに簡単なものではない。
JICA海外協力隊隊員として派遣される前に語学訓練を行うのは先人が、語学は一日にしてならずということを身に染みて感じたからだろう。
自分の場合、2021年からタイ語の勉強を始め、語学訓練を修了し、現地でも1か月間語学学校に通って、約半年経過した状況である。
そんな自分でも、まだまだタイ語を聞き取れないし、理解できないし、うまく話すことができない。
所属先に来て最初のころは少しでもタイ語ができれば、「タイ語話せるの?すごーい!」「タイ語上手だね」などと周りのみんながもてはやしてくれるものだから、自分もタイ語を話せる気になっていた。
そして、生活する時間が経過すると、右肩上がりに語学力も向上するものだろうと勝手に思っていた。
実際、買い物や簡単な日常会話は苦労しないほどになっていたから。
タイ生活半年で突如襲った語学スランプ
タイに来てから約半年、急にタイ語が聞き取れない、理解できないと思うようになった。
簡単な一言も何を言っているかわからない、耳が追いつかない、少しショックだった。
どんどんタイ語を聞き取れるようになるはずだと思っていたから。
いろいろと環境要因を分析してみた。
- 同僚がもう半年いるから慣れたと思って自然とネイティブスピードで話すようになっている
- だんだんと難しい言葉を使って仕事の話をする機会が増えてきている
- 日本にいるころから勉強していたタイ語単語を忘れてきている
いろいろと考えたのだが、最近一番しっくりする答えにたどり着いた。
それは、「アウトプットの量が減っている」と言うこと。
つまり、自分自身も同僚も慣れてきたが故に、正確に伝えきれていない言葉でも理解しあえてしまうために、語彙力も増えない。
というより、話す言葉の量がむしろ減ってきているのである。
例えば、何度も行ったことのある店でご飯を買おうとしても、もう決まった対応をしてくれるので「これ」と言うだけでなんでも買えてしまうのである。
おそらく、慣れからくる甘えなのだろう。
この答えにたどり着いてから、自分の意識を変えてみた。
今までの必要以上に話す量を増やしてみたのである。
活動中に、些細なことを全部質問したり、自分の意見を伝えてみたり、日本ではこうやっているよと聞かれてもいないのに答えたり。
自ら話すことで、相手の返してくる言葉もクリアに聞こえるようになった気がした。
それに気づいてから改めて考えると、活動時間以外の一人の時間はYoutubeやNETFRIXで日本語を聞いてしまっているのも問題なのではと思った。
ストレスを溜めないための視聴はもちろん大事だが、タイ語力の生成には逆効果であることは間違いない。
サボっていたタイ語の勉強をまた始めようと思う今日この頃。
今日もまた「タイ語上手だよね」と屋台のお兄さんに言ってもらった。
「いやぁ、全然まだ上手くないですよ」とタイ語で返すときの気持ちよさがたまらない。
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